こぶし

こぶしだより 2000年05月号

2000年05月号
発行こぶし編集部
第142号

「近頃の少年犯罪は…」 大月 康義

このゴールデンウィーク中に発生したバスジャックはこの少年が精神科に入院中だったこともあり他人事とは思えません。少しづつ明らかになっていく少年の姿は、家庭内暴力から引きこもりへと到り、凶器を集めるようになり精神科へ入院しました。そしてインターネットをとおして少年法の範囲にまだいるかぎり大きな事件を犯しても軽い罪にしか問われないとうそぶいていました。この事件に関し、最近、元精神科医の町田氏がこの少年を精神科へ入院させる以前にこの少年の母親から相談があり、母親は精神科へ入院させようとしたがどこからも断られ困っていたこと、警察も出動しようとしなかったことなどが明らかにされ、さらに5月に外泊させたのはとんでもないことだとコメントしています。

私は北見にいたときに似たような事例をいくつか経験したのですが、その経験からこの町田氏のコメントを考えるといくつかの問題点が見えてきます。この少年は部屋に凶器を集めて殺してやるといっていました。この少年はどこが対処するのが一番良いのでしょう。性格的な要因、あるいは何らかの世界観でこのようなことをしでかしたのなら精神科というよりは警察が適当でしょう。もし病気であるならば精神科入院です。実は、ここの判別が実際のところ難しいのです。刑務所へ往診に行っても、この人はむしろ病院が適当なのではないかという人が刑務所で薬も無しに過ごしていることもままあります。また入院させたとしても問題行動の連続で治療らしいこともできないまま退院する人もいます。現在アメリカでは人格的要因で犯罪を犯した人はもちろん病気の人もかなり刑務所へ収容されているようです。約30パーセントの受刑者は立派な精神病だそうです。この事件の少年はどちらなのでしょう。病気であるなら入院から2ヶ月もすれば外泊させるのは自然なことです。しかし性格的なものなら2ヶ月経とうと1年経とうと外泊は危険です。その点が明らかにされていません。病気ではないとしたなら、このように自己中心的で抑制力のない性格にどうして育ってしまったのかそこが一番問題なのではないでしょうか。

30年以上も前に数学者の岡潔博士は、その頃の若者は大脳前頭葉の抑止力が低下してきており、動物性が顔を出す者がいる、中には哺乳類にまで魂の成長していない爬虫類のような者がいる、このような人たちが子を育て、さらにその子が子を育てていったなら50年後には魂の冷え切ったこの上なく暗い世の中になるであろうと予言しました。当時その本を読んでも何のことを言っているかわかりませんでしたが、今となってみると、その予言は実現しつつあるように思われます。このあいだ旅行をしたとき、電車の中で、幼稚園くらいの子供が騒ぎまわり、母親がいくら言ってもいうことをきかず、最後に母親は「お願いだからやめてちょうだい」と子供に懇願しました。最近このような子供を叱れない親が増えてきているように思われます。教師も同様です。その結果自己抑止力のない子供がどんどん増えてきています。この子達は中学くらいになると「切れる子」になるのでしょう。少年達の今の状態は2世代かかってできた現象でしょう。この状態を治すにはいったいどれだけの時間がかかるのでしょうか?この30年間にわれわれが得たものは物質的のはとてもたくさんありますが、精神的に失ったものはそれ以上なのかもしれません。

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読者の広場
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<食のシリーズ12>

『インターネットで
料理のススメ』
ネコ吉

北海道にわさびが自生しているらしい。わさびと言っても地わさびではなく、あの青いわさびなのである。「らしい」と言うのは、私が採取してきたわけではないので。でも、父が知り合いと沢にてちゃんと取ってきたのである。(場所はあえて書かないでおきます)なぜ、そこに生えているのかも、その生えているのを見てきたわけではないから謎。(謎ばかりですみません)北海道でわさびが取れるなんて!?とびっくりなのだけど、知ってらっしゃった方は、春の楽しみとして、毎年取りに行くのだそうだ。さて、わさびの食べ方でありますが、私たちが刺身なんかと一緒に食べているのは「根」の部分をすり下ろしたもの。しかし、採取してきた物は、根ばかりではなく、葉や茎も付いた物。「茎や葉も食べることができる」と聞いてきたけど、さて、どうしたものか?

こんな時はインターネットを活用するべし!検索サイトで「わさび」を検索してみます・・・すると、ちゃんとあるもんですねえ、わさび農家のホームページ(以下、HPと略す)にたどり着きました。HPではちゃんと茎の食べ方が載ってます。わさびのっけご飯、色々な漬け物やお浸し、天ぷらなんかにもするようです。でも、載っているのは茎の部分ばかり。葉っぱの食べ方ってないのかしら?とこんな疑問が浮かんだら、即、HPにのっているアドレスにメールしてみます。良心的なHPの制作者ですと返事が返ってきたりします。今回はちゃんと返事が返ってきました。葉っぱはお浸し、三酢漬け、こんぶ漬け、食べ方以外には細かく刻んでお風呂に入れるとアトピーに効き目があるとのこと。HPとメールを参考にして、天ぷら、わさび漬け、しょうゆ漬けにしてみました。さて、せっかくメールを頂いたのです。お礼をメールしました・・・。
このように食べ方が分からない食材に出会ったり、料理方法がなかなか見つからないときにインターネットは重宝するみたいです。どこに書いてあったかしらん?なんて何冊も料理の本をひっくりかえしているより、早く分かりますし、部屋も何冊の本が開きっぱなしで散乱するなんて事がないのです。そして、メールなどを送ったりと交流があったり(分からない事は聞ける)と、今回の事を通して、なんだか料理方法をインターネットで調べるのが、便利でクセになりそうです。どんどんHPは増えて行きますし、料理の方法も多彩に、そして個人に合った方法が見つかるようになって行くでしょう。
インターネットがあれば、お料理なんて怖くないかも!

*葉わさびという名前で売られているのを見ました。
お浸し、天ぷら、漬け物に食べてみてはいかがでしょうか?コツとしてはあまり、熱を通し過ぎない事のようです。