こぶし

こぶしだより 2001年08月号

2001年08月号 発行こぶし編集部 第157号

『職場でのストレス』藤田 毅

  ●遅ればせながら8月号
 8月号がようやく発行になりました。申し訳ありません。私の準備不足で、一週間遅れとなってしまいました。(^_^;) ところで、6月号ではストレスのお話をしました。今月はその続きで、職場でのストレス問題について書きたいと思います。職場でも実に様々な問題があり、働いておられる方々もいつも我慢に我慢を重ねてお仕事をされているのでしょうね。そういう状況でストレスのないほうがおかしい位でしょう。

●職場の問題は相談しにくい
職場でのストレス問題は相談しにくいのが特徴です。上司にメンタルな問題を言ったら、昇進に響くのではないかとか、周囲から偏見を持たれるのではないかとか、つい考えてしまいます。職場には産業医という医師がいるはずですが、その産業医のところへもなかなか行きにくいというのが現状ではないでしょうか。 そこで最近はインターネットの活用が盛んになってきています。皆さんもネット上の医療相談のページをご覧になったことがあるかもしれません。また、こぶしでもやっているようにE-Mailを使って相談にのって貰うということを経験された方もいらっしゃるかもしれませんね。アメリカではEAP(Employee AssistanceProgram 従業員支援プログラム)といって、外部のメンタルヘルスサービス機関と企業が契約して、従業員の心の健康相談をするシステムもあります。これらも要するに、どれだけ相談しやすい環境を作って、どれだけ早い時期に支援できるかということにつきるわけですね。

●働く人の自殺
新聞などを見ていると、働く人の自殺の問題が取り上げられることがあります。管理者の自殺が急増しているからです。平成十一年は3万3千人もの自殺者が出て、昨年はされに増加。自殺予備軍は全人口の5~6%にも上ると言われています。厚生労働省もさすがに問題視しており、自殺問題に限っているわけではありませんが、平成十三年度の「精神保健福祉施策関係予算」で総額891億2300万円の予算を設けました。これは十二年度より8・4%(69億1700万円)の増額になります。 人が死を考えるのは、それがあまり現実的ではなく、何かあいまいとした、楽になれそうな漠然とした世界として感じるからなのだともいえます。そして、その思いが心の中に住みついてしまっているために、つい行動を起こしてしまいがちになるのです。しかし、現実を知ったときには、それは恐怖であり、辛さであることがわかるのです。そこまで人を追い詰めるものは何か。その一つの答えがストレスの積み重ねといえるでしょう。

●原因は何?
ちょっと古いですが平成九年度の労働者健康状況調査によると、職場での強い不安や悩み、ストレスの内容について調べた結果、職場の人間関係で悩んでいる人は、男性で40・6%、女性で56・9%と女性に多く、仕事の質の問題で悩んでいる人は、男性で35・3%、女性で26・1%、仕事の量の問題で悩んでいる人は、男性で35・3%、女性で29・5%と、それぞれ男性に多かったそうです。また、仕事への適正の問題で悩んでいる人は、男性が23・2%、女性が22・1%と大差なかったということです。これからもわかるように、職場でのストレスは、男女差はあるものの、仕事の中身ばかりでなく、対人関係など色々な要素が関係しているのです。  では、少しまとめてみましょう。まずは、職場の組織としての面から見ると、組織体制や支援体制の不備があげられます。指示系統の未整備のため、上司によって言うことが違っていたり、問題が発生したときに誰に報告すればよいのかわからないという状況があると、働くものにとっては多大なストレスとなります。また、専門職がいなくて何でも自分たちでやらなければならないというような状況も同様ですね。それから、不規則な労働時間というのもストレスの元です。特に、予測していなかった残業などがあると、イライラを感じたり、一気に疲れが押し寄せてきたりと、負担を強く感じるのはよく経験するところでしょう。さらに、不当な評価や役割の不明瞭さも同様です。この頃は能力給を採用する企業もありますので、自分がどう評価されるのか、そしてそれは妥当なものか、というのは心理状態を動揺させる重要な要素といえます。  また、組織としての問題以外にも、前述のような人間関係の問題がストレッサーとなる場合が少なくありません。同僚、上司、部下など良い関係を築いていこうとすれば、気を遣うことも多くなるのは致し方ないものです。とはいえ、皆とうまくやろうとすれば、それはとても疲れることではありますね。 他にも、理想と現実のギャップが大きなストレスとなります。自分が思っていたのと違う!、そういう思いが心に大きな負荷をかけるのです。また、単調な毎日や小さな苛立ちごとの積み重ねが次第に心の中で大きな位置を占めるようにもなります。殊に、自分にはストレスになるようなものはないと思っておられる方でも、日常の中で忘れていってしまうような小さな苛立ちが、いつの間にか積もり積もって、こぶし便り6月号で書いたようなストレス性障害の数々を引き起こしてしまうことがあるのですから、用心にこしたことはありません。

●ストレスの兆候
自分にストレスがたまってきたかなと感じるためには、どんなところに注目していればいいのでしょうか。私は大きく分けて、3つの観点から眺めてみるのが良いように思います。まずは、集中力の低下です。同時に判断力や記憶力も低下します。これによって、単純なケアレスミスが増え、作業効率が低下してしまいます。2つめは、感情の変化です。イライラ感が増えてきたり、攻撃的になったりします。また、憂鬱な気分になったり、自己否定的な考えに流されたりもします。さらに過緊張状態になる人もいるでしょう。3つめは身体の変化です。全身がだるくなったり、疲れやすくなったりします。眠れなくなり、アルコールの量が増える人もいます。自律神経系の障害が現れやすくなりますので、頭重感、発汗過多、動悸、息切れなどが自覚されます。  このような兆候は"気のせい"ですまされることが多いのですが、もう少し注意深くご自分の状態を観察されたほうがいいかもしれませんね。

●ストレスの対策
ストレス対策には一定のものがあるわけではありません。人によって千差万別なのです。例えば、目標を持って積極的に向かうのがストレスに対抗できる手段だという人もあれば、あせらずゆっくり流れに身をまかせてという人もいるかもしれません。要は自分にとってしっくりくる考えを参考にすればいいわけです。 では、一般的にどんな事に気をつければいいかということですが、まずは、仕事内容でできることとできないことを明確に区別しておくということです。そして、可能な限り自分のできないこと、つまり限界を周囲に明言するのがよいのです。日本人には従来なかった習慣ですが、できないことを明確にするというよりは、できる事を明確にして自分の能力をPRするという風に考えるとわかりやすいかもしれません。何でも引き受けてしまうのではなく、できる事をやるようにして、その代わりきっちりと結果を出すことが、重要なのではないでしょうか。  次に、自分のための時間を創出することが大切です。人は誰かのために時間を使っていることが多いものです。その中で、少しでも自分のための時間を作ることが大切になるのです。また、運動したり、愚痴を言ったりするのも良い対策です。愚痴を言うのがいいというのは意外かもしれませんが、頭の中でモヤモヤ考えているより、言葉にして明確にするほうがよいのです。相手に伝えるわけですから、より頭の中が整理されていなければなりませんよね。それが良いのです。

●最後に
まだまだお話したいことはたくさんありますが、今回はこれまでにしておきます。皆さんが皆さんなりの対策を考えられることが一番なのですから、試行錯誤をしながら色々とリラクセイションの方法を模索してみましょう。

~読者の広場~〈食のシリーズ25〉
『夏の水分補給』ネコ吉
札幌は過ごしやすい日々が続いてますね。本州は連日真夏日で大変そうです。熱中症で亡くなられた方も出てきて、これはちょっと勉強しておく必要性がありそうです。  暑いと私たちは汗をかきます。これは体温を調節するために発汗によって蒸発により、熱を放散しようとする働きです。真夏には個人差はあるものの一日1.2リットル汗をかきます。そのほか1リットル体から水分が失われて、2リットル以上の水分が体から減少してしまいます。もちろん運動したり炎天下を歩けばそれ以上水分は失われていきます。体の約65%は水分ですが、大量にこれが失われてしまうと色々悪い症状が現れてくるのです。脱水状態がひどいと熱があまり放散されず体温が上昇し、結果として死亡したりするのです。  とにかく汗をかいて失ってしまった水分は補う必要があります。運動をする場合はある一定の時間になったら必ず水分を取るのが良いとされます。あまり暑い日は運動は避けるのが無難ですね。体調が悪い日、体力がない人、ちょっと肥満傾向にある人、部活初日や最終日の場合、日陰・木陰がない場所、と注意するポイントは多いですがとにかく無理は禁物ですね。  具合が悪くなったら、体をさまし、スポーツドリンクで水分を補い、病院に行きます。  汗を悪く思うことが多いのですが、3食の食事後にコップ1~2杯、10時と3時に1杯づつ、暑い日はちょっと多めで心がけて水分を取り、しっかり汗をかいて体調を維持しましょう。  北海道の夏はあっと言う間に過ぎていきます。しっかり楽しみましょうね。